この記事では、高専生や理系大学生向けの基本的なレポートの書き方について図を交えながら説明します。レポートの書き方について学校側から指示がある場合はそれに従ってください。
レポートの基本
基本事項
テーマや担当教員によって異なる場合もありますが、レポートには以下のような決まりがあります。
- 手書きの場合はボールペン(黒)、レポート用紙を使用する。
- 式中の直線は定規を使用して書く。
- 図には図番・図題を上部に記述する。
- 表には表番・表題を下部に記述する。
- 文体を統一する。(だ・である調)
- 口語表現は使用せず、定量的に書く。
- ページ番号を入れる。
手書きの場合
最近ではWord等を使用してレポートを書くことが多いですが、入学したてでレポートに慣れていない時期は手書きで書かされることがあります。
手書きでレポートを書く際の大前提としては、きれいな字で書くことです。レポートは他人に見てもらうものなので、誰が見てもわかるような読みやすい字で書くことを意識しましょう。また、おかしな表現や誤字脱字がないかを読み直して確認することで、評価が下がることを防げると思います。
教員から指示がない場合、黒色のボールペン、A4のレポート用紙を使用します。また、レポートに式を記述することがありますが、式中の直線(=や分数など)は定規を使って書きます。
図と表
レポートに図を挿入する場合は図の下部に図番と図題を記述し、表を挿入する場合は表の上部に表番と表題を記述します。また、図番・表番はそれぞれ連番とします。(式番も同様)
文体・表現
レポートは文体を統一して書きましょう。「です・ます調」や「だ・である調」がありますが、レポートでは「だ・である調」で統一して書くことがほとんどです。
レポートでは曖昧な表現は避け、定量的に書くようにしましょう。
誤差率が32.5%であった。
誤差率が大きかった。
また、レポートにおいて口語表現はNGです。
ページ番号
レポートは下部中央に「通しページ数/総ページ数」の形でページ番号を記載します。右肩に書く場合もあります。ただし、表紙はページ数には含まないことに注意してください。
また、Wordを使用してレポートを書く際は、フッターを使用してページ番号を書くと自動で通しページ数が記入されます。活用してみてください。
文字
Wordで書く場合の文字サイズについて特に決まりがあるわけではないですが、大きすぎても小さすぎてもいけません。タイトル:16、章:14、本文:12ポイントぐらいが良いと思います。また、フォントについても統一しましょう。特に設定をいじっていなければ、最初から「游明朝」になっていると思うのでこのフォントで大丈夫です。
レポートの構成
レポートは主に以下の章立てで作成していきます。
表紙
1.目的
2.原理(理論)
3.実験装置(使用装置・器具)
4.実験方法
5.実験結果
6.考察
7.結論(感想)
参考文献
表紙
表紙には、「題・実験期日・提出期限・提出日・提出者(学科や番号、氏名など)・共同者・担当教員・天候」などの情報を含めます。また、表紙にページ番号は不要です。
目的
実験を行う目的を記載します。指導書などに記載されている目的以外に、自分なりの目標を設定すると評価アップにつながります。目的例を以下に挙げておきます。
- ~について理解することを目的とする。
- 協力して実験を行うことを目的とする。
- 実験を通して~の使い方について学ぶ。
- 機器を正しく扱う。
原理・理論
実験で扱う原理について、図や式を交えて簡潔に記載します。指導書の内容を丸写しするのではなく、内容を理解し、要点をまとめるような感じで書くと良いでしょう。…と言っても、これは慣れていないと難しいと思います。最初は指導書をまねて書き方を学び、徐々に慣れていくと書けるようになると思います。
実験装置・使用機器・器具
実験で使用した装置・器具について記載します。機器名やメーカー、型番、シリアル番号などを表にまとめて記載するようにしましょう。実験を行う際に使用した機器について記録するのを忘れないように気をつけてください。
使用した器具によってはシリアル番号がない場合があります。このとき、表には斜線を引くなどして空白は作らないようにしてください。
表の空白は、「情報なし」ではなく「記入漏れ」を意味する。
実験方法
実験の手順や方法について記載します。ただ手順を記載するだけではなく、図や自分で気づいた注意点などの詳細を加えると独自性のあるレポートになります。
実験結果
実験で得られた結果を表やグラフにまとめて記載します。グラフは図と同じ扱いをし、図番や図題を記述してください。また、グラフには「座標軸・軸ラベル(単位)・目盛り・目盛り線・データ」などを記述します。データをプロットする(点をうつ)際、手書きであればテンプレート定規を使用して丁寧に描きます。プロットしたデータに対して近似線を描くことで、変化をわかりやすくすることが可能です。
考察
得られた結果や与えられたテーマについて考察します。原理や実験方法は他の人とほとんど同じであるため、評価に差がつくのは考察です。ここをしっかり書くことで良いレポートに仕上がります。
よくあるものとしては、理論値と測定値の誤差の原因についての考察です。誤差率を求めて誤差の原因として考えられるものを挙げたりします。誤差率は以下の式で求めることができます。
$\frac{測定値-理論値}{理論値}$×100 [%]
結論・感想
行った実験から得られた結果や、目的を達成できたかどうかについて結論として記述します。また、実験中に失敗したことや気づいたこと、思ったことを感想として書くこともあります。失敗から学んだことや失敗しないための工夫などを書くと他人のレポートと差別化することができます。
参考文献・付録
与えられた課題や考察に使用した、本やサイトなどを参考文献として記載します。
参考文献が本の場合は「著者名:タイトル,雑誌名,出版社,発行年」などを記載し、ウェブサイトの場合は「サイト名、URL、閲覧日」などを記載しましょう。ただし、ウェブサイトを参考文献として使用する場合は、信憑性のないサイトを使用するのはやめておきましょう。
プログラムリストなどの資料がある場合は付録として添付します。また、参考文献と付録に章番号は不要です。
よくあるミス
最後によくあるミスについて紹介します。
- エクセルで作った表をワードに貼り付けるとき、図として貼ることがありますがそのとき付けるのは図番ではなく表番です。図として貼っているので図番を付けたくなりますが、表番です。印刷をしてみるとわかると思いますが、図として貼っても、表として機能しているため表番を付けるのが正解です。
- 例えば、「リフティングが難しかった」とレポートに書くとします。特に問題がないように感じますが、「ボールを真上に蹴ることができず意図しない方向へ飛んでいくためリフティングが難しかった」とどのように難しかったかを具体的に書く方が好ましいです。
- 「予定を立て、その通りに作業することができた」←この文において修正する必要があるのは「その通り」の部分です。このように書きたくなる気持ちはわかりますが、実はこれも曖昧な表現となってしまうため避けてください。
まとめ
レポートは成績での配点が大きいことが多いので適当に書いていると大変なことになります。レポート作成に慣れるまでは以上のことに気をつけて書いてみてください。担当者や科目によって異なる部分もあると思いますが、慣れるまでは是非ともこの記事を参考にしてみてください。
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